対面販売で何かを販売する際必要とされる「クロージング力」ですが、
勢いと表情だけで乗り切っている方はいませんか?

もちろん勢いと表情は必要な要素ですが、
人間の心理に基づいたエッセンス(本質)というものを理解すると、驚くほど簡単に販売成績を伸ばすことができます。
結論から言うと、接客販売でのクロージングとは
「人の購買意欲を心理的に誘導し、ベネフィット(変化する未来)を提供するもの」。
筆者紹介
- カラスイという名義で日常心理学を発信中
- 育成が趣味で出会ったメンティ500人オーバー
- 7歳になる娘と楽しく成長中
この記事は、こんな方におすすめ
- イマイチ販売が得意にならない
- 自分は販売業に向いていないのかも?
- 簡単に成績を伸ばしたい
この記事を最後まで読むことで、大事な場面で「あれ?このあとどうすればいいんだっけ?」
という「変な間」を埋めることができるようになり、上手いクロージング技術を知ることができます。
今回は人の購買心理はどのように動くのか?を分解しつつ、
その上で『買いたくなるクロージング術」について解説していきます。
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目次 調べたいところを選んでね
クロージングとは接客販売において基本であり奥義となる
「クロージング」とは、営業活動において顧客と契約を締結することを意味しています。
要は「コレ買いますか?」「買いま、、、す」というやりとりですね。
ただ、これもタイミングや言い方を誤ると成約率が下がってしまうので、
お客さんの購買意欲が70%以上になっているかを判断する力が必要です。
クロージングが苦手な人の特徴として、
例えば、
会話は弾むのに、『いよいよ、、』となるとなんて言ったら良いかわからない。
高額なものだとおすすめする気がひける。
切り出すタイミングがわからない。とかですね。
ポイント
大切なのは、これを買ったらどんな未来が待っているのかを想像させること。
「例えばこれを買ったらどんな時に使いたいですか?」といった未来を想像させる
問いかけも重要ですね。
クロージングは難しそうですが、販売業をする上での楽しさでもあるので、
「自分が接客しても売れなかったんだから今は縁がなかったんだ」と
開き直った気持ちで取り組むと、力が抜けてレベルの高い販売員になれたりもします。
ノルマなどもあるかもしれませんが、グイグイやりすぎても結局リピート率が下がったり、
キャンセル率も上がるのでゴリゴリ過ぎるスタイルは嫌われるので
抑えるように心がけましょう。
販売の極意とはお客さんに見えるように売ろうとしないことにあります。

人の心理として、売り気を出すとお客さんは引いてしまい、売れるものも売れなくなります。
もちろん販売員なので売りたいのはわかりますが、それが伝わってしまう販売は長期的に見ても
あまりよくないということです。
ではどうすれば売ろうとせずに売れるのか?
次に紹介する人の購買心理で解説していきますね。
クロージングに向かうために知るべき人の購買心理とは?
まず、人の購買心理の順を知っておきましょう。
- 注目(商品を見つける)
- 興味(どんなものか気になる)
- 連想(自分が使ったらどうか想像する)
- 欲望(自分に最適か、他にはないか考える)
- 比較検討(もっと良いもので、安く手に入らないか)
- 信頼(商品、メーカー、販売員への信頼)
- 行動(買う意思を固める)
- 満足(商品と販売員への満足)
このように人の購買心理は8段階に分かれているとされ、
特に『5』の比較検討にお客さんの心理が移った時、
どのようなアプローチが出来るかで成約率が分かれます。
個人的な数字ですが、初期購買意欲が30%あれば70%までは
その人の販売力で上げることができ、残り30%は商品が揃っているかで決まると思っています。
では、どうやって購買意欲を上げてクロージングまで持っていくのか?
次の項目で紹介していきます。
ちなみに
購買意欲30%未満のお客さんを購入に至らせるには、
しっかりとした接客と少し強めなセールスが必要なので上級者向けです。
もし職種的に高額商品を取り扱うのであれば、
演技力と知識と度胸は必要ですので頑張りましょう。
販売力のある人は「自分だけのフローチャート」を必ず使っている!!
メンタリズムを使ったクロージング術を紹介します
まず前提としてクロージングに絶対はありません。
どの言葉が良かったか悪かったのか?
これは常に体感してリサーチし続けることが本質です。
その中でも確率の高い方法として、メンタリズム式販売クロージングを紹介します。
これは先ほど紹介した購買心理を知った上で、
いかに「5」の段階でお客さんに「情報を与え続けられるか」
情報を与えた上で購入という「行動」に移してもらえるか?
が重要になってきます。
では次に具体例をあげていきます。
スティンザーの3原則
心理学で「スティンザーの3原則」というものがあります。
(スティンザーはアメリカの心理学者)
- 会議などで、敵対する相手と対面で座る傾向がある
- 誰かの発言の後、次に発言する人は反対意見を言う傾向がある
- 進行役のリーダーシップが弱いと向かい合わせで私語がおき、強いと横同士で私語が起きる
チームの状態が悪い場合は会議を四角いテーブルから円卓にすると
1カ所に注目が集まらず公平な意見が出やすいとされています。
これを接客販売に応用すると、店員とお客さんの向かい合った構図を回避し(敵対関係)
となり合わせになるようポジションどりをします。(友好関係)
ポイント
なお、可能であれば近づく時には心臓と反対側から近づく方が良いとされます。
(本能的に心臓側を守るため)
同じ目線で商品を選び、似合う商品で販売したい商品を誘導していきましょう。
頼みごとが上手い人は「心理学コミュニケーション」を実践している!!
商品は1面提示よりも両面提示が良い
商品の説明をメリットのみ伝えた場合と、
デメリットも伝えた場合では両面提示をした場合の方が
信用されることが多いと言うデータがあります。
もちろんデメリットを言うタイミングは難しいですが、
コツがあって先にデメリットをさらっと伝えた後にメリットを伝えると、
同じことを言っているはずなのに、まるで印象が変わります。
例えば、
①『こちらの商品は軽くて今トレンドなんですよ、ただ強度が少し弱くなるんですが、、』
お客さんの心理(トレンドで人気だけど壊れやすいのかぁ、、)
②『こちらの商品は少し細いので強度は下がりますが、とっても軽くて今のトレンドなんですよ』
お客さんの心理(強度は少し弱いけど、軽くておシャレなんだ、、)
いかがでしょうか?同じことを言っているのに印象変わりませんか?
デメリットを先にさらっと伝えた後にメリットを強調することで
販売における不安要素を減らすことができるのです。
ドア・イン・ザ・フェイス(譲歩的要請法)
はじめにわざと大きめの要求を出した後、断られてから本命の要求を出すと
本命の要求が通りやすいことを言います。
これは悪い人の例ですが、本命の10万円を借りたいが為に『100万貸して』から入り
『50 万』『30万』『20万』『10万』と言った要領で要求の難易度を下げたように
見せる手法を使ってきます。
お金を何回も借りに来るのでお気をつけ下さいね。
さて、本題に戻りますが
買うかどうかを迷っている人に言うセリフでは、
店員『この商品と、この商品を合わせたらものすごくシャレになりますよ!』
お客さんの心理(いや、そんなにいらないし断ろう)『いや、いらないです』
店員『では、今のコーディネートに合わせてこちらだけでも使ってみませんか?』
お客さんの心理(まぁ1つ断っちゃったし、これだけならいいか、、、』
店員(よし、最初にススメたかった商品を買ってくれた)
このようにハードルの高い要求から始めて、もしそのまま売れたらラッキーで
最終的に買って欲しかった商品を売りやすくする方法です。

余談ですがこのテクニックは実は恋愛にも使えて、
⬇️好きな異性をデートに誘う時の技としても有効です。
あまり仲良くなっていない段階で
『デートしよう!!』と言うと断られる可能性が高いので少し高めの料理店名を出し、
A『テレビでやってたんですけど、〇〇食べたいので今度行きませんか?』
と少しハードルを上げて言ってみる。
(この時、いいよって言われても大丈夫なレベルのお店にしましょう笑)
B『えぇ〜そんな高いとこ行けないよ、おごってくれるの?笑』
A『そんなとこおごれませんよ〜。でも〇〇ならおごれますよ』
と言うとOKしてくれたりします。
これは『ドア・イン・ザ・フェイス』と『デート』という言い方を食事に置き換えた
2つの心理テクニックを使ってますね。
デートしましょうって言ってないのに結果はデートOKってことですよね?笑
恋愛のテクニックをもっと知りたい方はこちらも参考にしてみてくださいね。
モテる人とモテない人の違いは「空気作り」モテる人がしている行動5選
モテない男に共通する「たった1つの行動」モテたければ絶対に〇〇するな!!まとめ
⬇️このテクニックをさらにクロージングに応用していくことができます。
フット・イン・ザ・ドア(一貫性の原理)
こちらは簡単な要求をまず通した後、少しずつ要求を大きくしていく方法です。
人は1度YESと言うと一貫した態度でいようとするため、次もYESと言ってしまいやすい。
例えば、
『こちらの商品はこのような商品です(説明を聞いてもらう)』
『こちらの商品を試して下さい(試着してもらう)』
『こちらの商品はとてもよくお似合いなのでいかがですか?』(買ってもらう)
このように小さな『YES』をさりげなく入れ込む事で、
単価アップにもつながるので覚えておきましょう。
コントラスト効果で売りたい商品を誘導する
コントラスト効果とは、人間が無意識に複数の選択肢を
相対的に比較することを利用したテクニックで、
パターン1
- A 25,000円
- B 20,000円
- C 15,000円
という商品の選択があった場合Bが相対的に安くて良いものだと感じやすい。
人の心理はバランスを求める傾向にあるので、真ん中を選びやすいんですよね。
パターン2では
- A 20,000円
- B 15,000円
この選択肢の場合はBが選ばれやすいといわれています。
商品の選択順としてパターン2で商品の種類を選んでもらい、
その種類の中から極力パターン1の3択に誘導し、単価を上げにいくことが理想ですね。
声の抑揚とテンポで掴む
男性店員が女性客を相手にする際、声をあえてワントーン下げ、
落ち着いたスピードで話すと好感が得られやすく、
女性は見た目を『可愛いい』『綺麗』と褒められるとどうあっても嬉しいものなのです。
また、女性店員が男性客を相手にする際は、はっきりした話し方と
少しブレーキをかけたような声(ささやくような)で話すと好感を得られやすいです。
男性は『仕事がめっちゃできそうですね』『カッコいいですね』に弱いです。
特に話すスピードは、年代とお客さんのキャラクターに合わせて同じテンポにすると
同調効果を得られますので、声の強弱と合わせて利用しましょう。

トドメの自己開示でクロージングする
自己開示とは商品をいよいよ決めに入る際、
自分の感情や価値観などを、ありのままに伝えることを言います。
これにより、相手は『こんなことまで話してくれるなんて、、』と思ってくれ
『返報性の原理』(お返ししなきゃという心理)で自分のことも打ち明けてくれやすくなります。
注意ポイント
何でもかんでも思ったことを言うのではなく、
『店員として演技された自分の意見』をこっそりお伝えしますねってことです。
ここでのキラーワードは、
- 『販売員的にはこっちなんですが(値段の高い方)、僕的にはこちらがオススメです(少し安くても似合っている方)』
- 『僕はこちらが好きですね!!』
- 『似合ってなかったらちゃんと言いますからっ』
- 『この商品を使って欲しいです』
- 『他のお客さんの声では、ここが良かったって言ってもらえました』
といったワードを使ってみましょう。
あとは、そのお客さんが使うワードとかもいいですね(口癖とかを真似する)
そうすると店員の本音を引き出せたと思ってもらえるので、
自分の思っていた決断とマッチした際は購入に至るでしょう。
このキラーワードにたどり着くために、上記で書いてきた心理学的メンタリズム(観察力)
を利用しお客さんが欲しそうな目星をつけておき
クロージングを確率の高いものにしていきましょう。
ポイント
「購入を決意」するまでの「不安」や「疑問」をできるだけ取り除き、「成約」までをバリアフリーにする組み立てを意識する
他にもたくさんクロージングキラーワードはありますが、
ご自身の経験の中で「このワードは使える!!」というものを見つけて
ワードの引き出しを多くしていくことが大切です。
お客さんの心の扉を開くために大事なことは、
いかに店員のオーラをなくし、物知りな友達に一緒に選んでもらえてる感を伝えられるか
を出せればOKということですね。
クロージングとは接客販売において基本であり奥義となる まとめ
今回は販売スキルに必須であるクロージングスキルについて書きました。
心理学的要素をそこそこ書いたので、全てを意識的に行うのは訓練が必要ですが
簡単なものや自分のキャラクターに合わせて取り入れていただけると
販売スキルが格段にあがると思いますので、参考にしていただければ幸いです。
⬇️参考資料を試し読みする。
クロージングが意識的に決まると「やみつき」になるので、
楽しんで販売をできると仕事もナチュラルに楽しいと思えていいかもですね。
対人関係が苦手なら、まず「3つの視点」を意識することが改善への糸口となる
「結論から話すとメリットが多い!」意識するべきたった3つの行動とは?